社長ブログ

第六十六回:業務委託でも“仲間”になってもらう

最近、リモートワークや副業解禁の流れにより、業務委託やフリーランスの方と仕事をする機会がぐっと増えてきました。

私たちも複数の外部パートナーと日々連携していますが、よく社内でも議題になるのが、
「業務委託でも“うちの仲間”という意識を持ってもらうにはどうしたらいいか?」ということ。

実際、形式上の契約は業務委託でも、プロジェクトに本気で向き合い、自分ごととして考えてくれる人は、成果もスピードも全く違います。

今回は、私が実践してきた「業務委託でも帰属意識を育てるための工夫」についてご紹介します。

1. はじめに“世界観”を共有する

まず大前提として、業務委託に業務だけ渡しても、帰属意識は生まれません。

最初に大切なのは、「この会社はどこを目指しているのか」「このサービスで誰に何を届けたいのか」といった世界観の共有です。

私たちは、業務委託メンバーにも最初のキックオフ時に、必ずミッション・ビジョン・バリューを伝えます。

大事なのは、「どうしてその業務が必要なのか」という背景まで話すこと。作業の目的を理解してもらうことで、責任感も生まれやすくなります。

2. “名前”ではなく“存在”で扱う

ありがちなのが、業務委託を「外注さん」「◯◯業務担当」として扱ってしまうこと。

でもそれでは、相手も「自分はこのチームにとってどうでもいい存在」と感じてしまいます。

私が意識しているのは、
• 社内のメンバーと同じように「名前」で呼ぶ
• Zoomミーティングでも発言の場をつくる
• チームチャットにも招待して“情報の壁”をなくす

このように「人として対等に扱われている」と感じられるだけで、心理的な距離がぐっと縮まります。

3. “報酬以外の報酬”を意識する

業務委託の方は、お金をもらって働いている。だから、仕事をこなせばいい。

確かにそれは正論ですが、「帰属意識」を育てるなら、お金以外の報酬にも目を向ける必要があります。

たとえば:
• 成果を社内でしっかり称賛する
• メンバーとして「紹介」や「クレジット表記」を行う
• 「◯◯さんのおかげで助かりました!」と感謝を伝える

人は「役に立てている」と感じたときに、自然とその組織に心が傾くものです。

4. “孤立させない”仕組みをつくる

業務委託の方が「作業だけ振られて放置されている」と感じると、すぐに気持ちは離れてしまいます。

そこで私たちは、以下のような工夫をしています。
• SlackやChatworkで、ちょっとした相談や進捗共有の習慣をつくる
• オンラインでも雑談できるような「雑チャ」や「共有チャンネル」を運用
• 定例会議に、外部メンバーも必要に応じて参加してもらう

「相談できる」「つながっている」という感覚があるだけで、仕事への向き合い方が変わります。

5. “長く関わる”前提で接する

業務委託だから、期限付き。
そう思って最初から「一時的な存在」として扱うと、やはりそれが相手にも伝わります。

私は、“契約期間に関係なく、この人と長く関わる前提で付き合う”というスタンスで接するようにしています。

その人のキャリアに関心を持ち、やりたいことや強みを把握しながら、「うちでどう活かせそうか」「今後どんな連携ができそうか」まで考える。

この“先を見据えた関係性”が、信頼と共創につながるのだと思います。

おわりに

働き方が多様になる中で、「雇用していない=仲間じゃない」という考え方は、もう時代遅れだと感じています。

業務委託でも、心から信頼できる仲間はつくれます。
むしろ、立場を越えて信頼関係が築ける人材こそが、これからの組織には必要です。

肩書きも、契約形態も関係ない。
「この人と一緒に走りたい」と思える関係を、どうつくるか。

それこそが、私たち経営者に問われている力だと思います。

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