社長ブログ

第八十七回:中小企業が今すぐ捨てるべき3つの仕事

中小企業の経営は、「やらなくていい仕事」がどれだけあるかで未来が大きく変わります。社長自身が本来やるべきでない仕事に時間を使い続ける会社は、例外なく伸び悩みます。逆に、“捨てるべき仕事”を手放し、“任せるべき仕事”を渡し、“残すべき仕事”だけに集中できた瞬間、会社は一気に加速します。

ここでは、中小企業が今すぐ捨てるべき3つの仕事と、「削る・残す・任せる」の判断基準について解説します。

■ 捨てるべき仕事①:誰でもできる単純作業

メール返信、日程調整、請求書作成、データ入力など、社長でなくてもできる仕事に多くの時間が奪われています。単純作業を社長が抱え続けることは、“未来づくりの時間”を捨てるのと同じです。

外注やオンライン秘書を活用すれば、社長の時間は一気に空きます。ミスがあったとしても、仕組みで修正できるようにしていくことが重要です。

■ 捨てるべき仕事②:成果につながらない惰性の業務

毎週なんとなく行っている会議、意味のない定例作業、「前からあるから続けているだけ」の業務。こうした惰性のタスクは、中小企業に最も大きなダメージを与えます。

理由がない業務が増えると、社員は思考停止し、“仕事のための仕事”が生まれます。未来を作るどころか、会社全体の集中力と生産性が奪われてしまいます。

■ 捨てるべき仕事③:社長しか判断できない属人タスク

社長がすべての判断を握ってしまう会社は、その瞬間に成長速度が止まります。社長が常に判断し続ける状態は、“会社全体のボトルネック化”です。

判断を任せるためには、
・ルール化
・判断基準の言語化
・属人化の排除
が必要です。

任せることでミスが起きても、それは“仕組みの改善ポイント”です。育成のチャンスを奪わないことが大切です。

■ 「削る」「残す」「任せる」の判断基準

私が実際に多くの企業で使っている判断基準は以下の通りです。

【削るべき仕事】
・目的が曖昧
・売上にも組織にも影響しない
・惰性で続いている
・社長の時間を浪費するだけの作業

【残すべき仕事】
・会社の価値に直結する
・顧客からの信頼につながる
・未来への投資になる
・経営者がやる意味のある仕事

【任せるべき仕事】
・80点で十分な仕事
・再現性が高い業務
・仕組み化可能なタスク
・教育すれば他の人ができる仕事

社長の時間は有限です。
だからこそ、「残すべき仕事」以外は徹底的に減らす必要があります。

■ 最後に

中小企業の成長は、「何をやるか」よりも「何を捨てるか」で決まります。
仕事を減らすことは怠慢ではありません。会社の未来を守るための“戦略”です。

社長が手放した瞬間、社員は育ちます。
社員が育った瞬間、会社は動き出します。

仕事を削り、任せ、未来に時間を使う。
これが、中小企業が成長するために最も大切な土台です。

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