社長ブログ

第104回:「部署の正しさ」が、会社を止めることがある

会社の規模が少しずつ大きくなってきたり、組織としての役割分担が明確になってくると、必ずぶつかる壁があります。

それが、「部署ごとの正しさ」とどう向き合うか、という問題です。

これは僕自身、会社員時代からずっと感じていたことであり、経営者になった今でも、日々向き合い続けているテーマのひとつです。

組織には、それぞれの役割があります。

例えば、総務部であれば、営業から上がってきた情報をもとに契約書や請求書を作成します。そのため、情報の正確性や抜け漏れのなさが非常に重要になります。

営業部であれば、目の前のお客様と向き合い、契約を取ることが最優先です。多少の不確定要素があっても、スピード感を持って話を進め、見込み顧客の心をつかむ必要があります。

そして執行部は、契約された内容をもとに、期待値を超える成果を出しながら、納期を守ってプロジェクトを遂行していく役割です。

こうして見ると、それぞれの部署は明確に役割があり、それぞれが「正しいこと」をやっています。

ただ、問題はここからです。

それぞれが正しいからこそ、その正しさがぶつかり合うのです。

総務は「正確な情報がないと進められない」と言い、営業は「スピードが遅れると機会損失になる」と言い、執行部は「無理な条件では品質を担保できない」と言います。

すべて正論です。どれも間違っていません。

でも、この正論が並んだ瞬間に、会社としての意思決定が止まることがあります。

誰も間違っていないのに、前に進まない。これは組織として非常に危険な状態だと思っています。

なぜこうなるのか。

それは、「自分の部署の最適」が、「会社全体の最適」とズレているからです。

部署単位で見ると正しくても、会社全体で見ると最適ではない。このズレが、組織の停滞を生みます。

だからこそ大切なのは、「部署の正しさ」を主張することではなく、「会社としての最適解は何か」を考えることです。

営業が多少ラフでも契約を取るべきタイミングもあります。総務が多少のリスクを取りながらスピードを優先する場面もあります。執行部が少し背伸びをしてでも、新しいチャレンジを受けるべき案件もあります。

もちろん、何でもかんでも許容すればいいという話ではありません。

大切なのは、「どこまで許容するのか」「どこからは守るべきなのか」というラインを、チームとして共有しているかどうかです。

この共有ができていないと、毎回同じような衝突が起きます。

そしてその衝突は、やがてストレスとなり、チームの空気を悪くし、生産性を下げていきます。

だからこそ、僕は日々のコミュニケーションをとても大切にしています。

話すことで、頭の中が整理されます。相手の考えを知ることで、自分の視点の偏りにも気づけます。

さらに、書くことも同じくらい重要です。

こうしてブログを書いているのも、その一つです。

自分の考えを言語化することで、「なんとなく思っていたこと」が明確になります。逆に、言語化できないものは、まだ理解が浅いということにも気づかされます。

そしてもう一つ、意外と大事だと感じているのが「体を動かすこと」です。

ずっと座って考えていると、どうしても思考が固まってしまいます。同じ視点の中でグルグルと考え続けてしまう状態になります。

そんなときは、3分でもいいので立ち上がって動く。少し外の空気を吸う。それだけで、不思議と視点が変わります。

これは実際にやってみるとわかるのですが、驚くほど効果があります。

組織の課題というのは、机の上だけで解決しようとすると、どんどん複雑になります。

だからこそ、意図的に思考をリセットする時間や、視点を変える工夫が必要だと思っています。

部署ごとの役割は、もちろん大切です。それぞれが責任を持つからこそ、会社は機能します。

ただ、それ以上に大切なのは「チームとしてどう勝つか」です。

部署単体で勝っても、会社として負けていては意味がありません。

全体として勝つために、どこを優先するのか。どこでバランスを取るのか。

これを全員が同じ目線で考えられる組織が、強い組織だと思っています。

これは正直、簡単なことではありません。むしろ、永遠の課題だと思っています。

でも、この課題から目を背けてしまうと、組織は確実に成長が止まります。

だからこそ、僕自身も経営者として、このテーマから逃げずに向き合い続けていきたいと思っています。

これからも、部署ではなくチームとして。「正しさ」ではなく「最適解」を選べる組織を目指していきます。

そしてそのために、考え、話し、書き、時には立ち止まりながら、少しずつでも前に進んでいきたいと思います。

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