社長ブログ

第106回:「任せる」と「丸投げ」はまったく別物

会社を経営していく中で、必ず向き合うことになるテーマがあります。

それが、「人に任せる」ということです。

事業が小さいうちは、すべて自分でやることもできます。むしろ、自分でやった方が早いし、クオリティも担保できます。

ただ、会社として成長していくためには、どこかのタイミングで「任せる」ことが必要になります。

ここで多くの人がつまずくのが、「任せているつもりが、実は丸投げになっている」という状態です。

僕自身も、これまで何度もこの失敗をしてきました。

「任せたんだから、あとはよろしく」

一見するとシンプルで効率的なように見えますが、これはほぼ確実にうまくいきません。

なぜなら、任せる側と任される側で、「前提」がズレているからです。

任せる側は、「このくらいは分かるだろう」と思っています。でも、任される側は、「どこまでやればいいのか分からない」と感じています。

このズレがある状態で仕事を進めると、当然ながら成果にもズレが生まれます。

そして、その結果に対して、

「なんでこうなったの?」「思っていたのと違う」

という会話が生まれます。

これは任された側の問題ではなく、任せ方の問題です。

では、「任せる」とはどういうことなのか。

僕は、「目的・基準・責任の範囲を明確にすること」だと思っています。

まず一つ目は「目的」です。

この仕事は何のためにやるのか。どんな状態になれば成功なのか。

これが曖昧なままだと、どれだけ頑張っても方向がズレてしまいます。

二つ目は「基準」です。

どのレベルまで求めているのか。どこまでやればOKなのか。

ここが共有されていないと、クオリティにズレが生まれます。

三つ目は「責任の範囲」です。

どこまで自分で判断していいのか。どこから相談すべきなのか。

これが曖昧だと、動きが止まるか、逆に勝手に進んでしまうかのどちらかになります。

この3つが揃って初めて、「任せる」が成立します。

逆に言えば、この3つが抜けている状態は、すべて「丸投げ」です。

そしてもう一つ大切なのが、「任せた後の関わり方」です。

任せたからといって、完全に放置するのは違います。

かといって、細かく口を出しすぎると、それは任せているとは言えません。

このバランスがとても難しいところです。

僕が意識しているのは、「途中の確認」と「最後の責任」です。

途中で状況を確認することで、大きなズレを防ぐことができます。そして、最終的な責任は任せた側が持つ。

これを徹底することで、任される側も安心して動けるようになります。

また、任せることにはもう一つ大きな意味があります。

それは、「人が育つ」ということです。

最初から完璧にできる人はいません。むしろ、失敗を経験することでしか、成長できない部分もあります。

だからこそ、ある程度の余白を持って任せることが重要です。

もちろん、失敗してはいけない領域もあります。ただ、すべてを完璧にコントロールしようとすると、組織は大きくなりません。

どこで任せるのか。どこで守るのか。

この判断が、経営において非常に重要だと感じています。

そして最終的には、「自分がいなくても回る状態」を作ることが理想です。

これは決して、自分が何もしないということではありません。

むしろ、自分がいなくても回る仕組みを作ることこそが、経営者の仕事だと思っています。

任せることで、会社は広がります。任せられないと、会社は止まります。

だからこそ、「丸投げ」ではなく、「任せる」。

この違いを意識しながら、これからも組織づくりをしていきたいと思います。

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