社長ブログ

第七十五回:「一人で抱えない」は、弱さではなく強さの証

ビジネスをしていると、つい何でも自分で抱え込んでしまうことがあります。

「これは自分の仕事だし…」
「人に頼むより自分でやった方が早い」
「任せたら逆に手間になるかもしれない」

その気持ち、よくわかります。私自身、ずっと“ひとりで背負いがち”なタイプでした。

でも今は、「一人で抱えない」ことこそ、リーダーにとって最も重要なスキルの一つだと思っています。

今日は、そんな気づきと実践についてお話しさせてください。

最初は「全部やらないといけない」時期がある
起業当初や小規模なチームでは、ほとんどのことを自分でやらざるを得ません。
営業、提案、実務、請求書の発行、広報、経理…。

もちろん、その経験は貴重です。
すべてを経験したからこそ、どこで時間がかかるのか、どこにリスクが潜んでいるのかが分かるようになります。

でも、ある時点からその“全部やるスタイル”が、逆に成長の足かせになってしまうのです。

抱えすぎると、見えなくなるものがある
人に頼らず、黙々と自分で処理していると、次第に周りが見えなくなっていきます。

・全体のバランスより目の前の作業を優先してしまう
・誰がどこで困っているかに気づけない
・新しいチャンスに目を向ける余裕がなくなる

そして、心や体も疲弊していきます。
「自分がやらなきゃ」と無理を続けていると、判断力も鈍り、逆にミスが増え、結果として周りに迷惑をかけてしまうこともあります。

私も以前、体調を崩して寝込んだ時に、チームに大きな負担をかけてしまい、ようやく「頼ることの大切さ」に気づきました。

「任せること」は、信頼の表現
誰かに仕事を任せるということは、手放すことではありません。
むしろ、「あなたを信頼している」という意思表示でもあります。

最初は、任せたくても「どこまで任せていいのか分からない」「任せると逆に手間が増える」と思ってしまうこともあるでしょう。

でもそこで、「完璧にやってもらおう」と思わずに、
「失敗してもフォローできる設計で任せる」ことが大切です。

そうすれば、任された側も安心してチャレンジできますし、結果として成長につながります。

「頼ること」は、組織力を高める一歩
一人で全部抱えていると、周囲はこう思います。

「社長が全部やってくれる」
「自分が動く前にもう決まっている」
「出る幕がないから静かにしておこう」

でも、「あえて任せる」「あえて頼る」ことによって、チームメンバーは主体性を持つようになります。

・考えて動くようになる
・助け合いが生まれる
・「自分ごと」として責任を持つようになる

そうしたチームは、自然と強くなっていきます。
社長一人が倒れても、組織が回る。
これこそが、本当の意味で“健全なチーム”なのだと思います。

頼れる人がいることは、財産
私はこれまで、たくさんの人に助けられてきました。

・愚痴を聞いてくれる先輩経営者
・何も言わなくても察して支えてくれる仲間
・どんな小さな仕事にも全力で応えてくれるメンバー

そういう人がいてくれるからこそ、今も前を向いて経営ができています。

一人で抱え込むことが「責任感」だと思っていた昔の自分に伝えたい。
「誰かに頼ることは、甘えではない。信頼の証だ」と。

「抱えない勇気」を持とう
一人でやった方が楽に見えることもあります。
でも、本当に大きなことを成し遂げようとするなら、「抱えない勇気」が必要です。

・助けを求める勇気
・任せる勇気
・信じて待つ勇気

これらを持てるようになると、経営も人生もずっとラクになります。
そして、より多くの人と喜びや成果を分かち合えるようになります。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「一人で抱え込んでしまっているな…」と感じたら、
ぜひ周りに声をかけてみてください。
そこから、チームの可能性が一気に広がるかもしれません。

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