社長ブログ

第九十六回:いい人材より、いい関係をつくる

経営をしていると、
「いい人を採りたい」
「優秀な人材がほしい」
そう思う場面は何度もあります。

僕自身も、
昔はそこを一番重視していました。

スキルが高いか。
経験があるか。
成果を出してきたか。

間違ってはいないですが、
今振り返ると、
少し見ている場所がズレていたと思います。

うまくいかなかったのは、人ではなかった

「いい人材」を集めたはずなのに、
なぜか噛み合わない。

話は通じる。
能力もある。
でも、仕事が進むほど
ストレスが増えていく。

当時は、
「相性が悪かったのかな」
「期待しすぎたのかもしれない」
そんなふうに考えていました。

でも後から気づいたのは、
問題は人ではなく、
関係性をつくれていなかった
ということでした。

スキルはあっても、信頼は育っていなかった

スキルや実績は、
履歴書や実績で分かります。

でも、
信頼関係は
一緒に進めてみないと分からない。

役割の認識。
判断の基準。
困った時の距離感。

ここが曖昧なまま仕事をすると、
小さなズレが積み重なっていきます。

「任せる」と「放置」は違う

以前の僕は、
「任せる=口出ししない」
だと思っていました。

でもそれは、
任せているのではなく、
放置していたのだと思います。

任せるというのは、
関係を切ることではなく、
関係を前提に仕事を渡すこと。

ここを履き違えると、
どんなに優秀な人でも
力を発揮しづらくなります。

関係が整うと、仕事は静かに回り出す

不思議なことに、
関係が整ってくると、
仕事は一気に楽になります。

細かい説明がいらない。
判断の方向がそろっている。
トラブルが起きても、感情的にならない。

結果として、
スピードも質も上がる。

「この人、こんなにできたっけ?」
と思うこともありました。

人を見る目が変わった瞬間

ある時から、
人を見る基準が変わりました。

スキルや実績よりも、
「この人と話して、疲れないか」
「ズレた時に、ちゃんと話せそうか」

派手ではないけれど、
長く一緒にやれるかどうか。

この視点を持つようになってから、
人の問題で悩むことは
明らかに減りました。

いい関係は、あとから育てるもの

いい関係は、
最初から完成しているものではありません。

一緒に進みながら、
すり合わせて、
時にはズレて、
修正していく。

時間はかかりますが、
一度整うと、
簡単には崩れません。

経営者の仕事は、関係をつくること

今は、
経営者の仕事のひとつは
関係を整えること
だと思っています。

仕組みをつくる前に、
関係を整える。

人を増やす前に、
関係を深める。

これができていないと、
どんな施策も、
うまく回りません。

いい人材を探す前に

もし今、
「いい人がいない」
と感じているなら、
一度立ち止まって考えてみてください。

本当に足りないのは、
人材でしょうか。
それとも、
関係づくりでしょうか。

経営は、
個人戦ではありません。

だからこそ、
「いい人材」よりも
「いい関係」を
丁寧につくること。

それが、
長く続く組織の
一番の土台になると感じています。

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