社長ブログ

第九十回:「あれ、これ誰のための仕事だっけ?」と思った瞬間

仕事をしていると、ふと手が止まる瞬間があります。

作業自体は進んでいる。
予定も埋まっている。
忙しさもある。

でも、頭の中にこんな言葉が浮かぶ。

「あれ、これ誰のための仕事だっけ?」

この感覚は、意外と見過ごされがちですが、
僕はかなり重要なサインだと思っています。

――――――――――――

最初は、ちゃんと理由があったはずです。

お客さんのため。
チームのため。
将来のため。

でも、いつの間にか
「やること」だけが残って、
「誰のためか」が曖昧になる。

前からやっているから。
決まりになっているから。
言われた通りに進めているから。

こうした理由で続いている仕事は、
気づかないうちに目的を失っていきます。

――――――――――――

厄介なのは、忙しい時ほど
この違和感に気づきにくいことです。

タスクは山ほどある。
連絡も次々来る。
考える余裕がない。

だから
とりあえず進める。
あとで考える。
が積み重なっていく。

結果、誰のためか分からない仕事が
どんどん増えていきます。

――――――――――――

目的が曖昧な仕事は、
不思議と疲れます。

達成感がない。
終わってもスッキリしない。
これで良かったのかが残る。

それは、
頑張りが足りないからではありません。

向いている方向が
見えなくなっているだけです。

――――――――――――

よくあるのが、
「会社のため」という言葉です。

一見、正しそうに聞こえます。

でも、その会社のためは、
具体的に誰を助けているのか。

お客さんなのか。
現場なのか。
将来の仲間なのか。

ここが言葉にできない仕事は、
だいたい形骸化しています。

――――――――――――

経営者は、
決める側であり、進める側でもあります。

だからこそ、
これは誰のための仕事かを
定期的に問い直す必要があります。

忙しさを理由に
問いを止めてしまうと、
組織全体が作業モードに入ってしまう。

作業は進むけれど、
価値は積み上がらない。

――――――――――――

シンプルですが、
かなり有効な確認方法があります。

その仕事について、
「これは◯◯のためです」と
一文で言えるか。

言えないなら、
見直す余地がある。

言葉にした瞬間、
これは今やらなくていいなと
気づくこともあります。

――――――――――――

誰のためか分からない仕事を減らすことは、
サボることではありません。

むしろ、
本当に必要な仕事を
守るための判断です。

仕事を増やすより、
仕事の意味を整える。

これは、
長く続く経営に欠かせない視点だと思います。

――――――――――――

「あれ、これ誰のための仕事だっけ?」

この問いが浮かんだ時、
答えがすぐ出ないなら、
その感覚はだいたい正しい。

違和感は、
問題が大きくなる前に
ちゃんと知らせてくれます。

忙しさで押し流さず、
一度だけ立ち止まってみる。

それだけで、
仕事の質も、判断の精度も
少し変わってくるはずです。

TOP