「SNSを毎日運用しているのに、一向に売上や集客につながらない…」
そんな悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
成果が見えにくいと、どこに力を入れて発信すべきか迷う場面もあるでしょう。
「フォロワー数や反応率などの数字を追うべきか」「共感や信頼といった感情を大切にすべきか」。
そのバランスに迷い、発信の方向性を見失ってしまう企業も少なくありません。
どちらも成果を上げるために欠かせない要素ですが、SNSを効果的に活用するには、“目的”や“ターゲット”によって意識すべきポイントが異なります。
この記事では、数字と感情、それぞれの特長や活かし方を分かりやすく整理し、目的別に成果を高めるための考え方を紹介しています。
自社のSNS運用を見直し、数字と感情のバランスを整えるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
【目次】 1.SNS運用で重要なポイントは 2.数字・感情を追うメリット・デメリット 3.SNS運用で目指す成果別にポイント解説 4.まとめ |
1.SNS運用で重要なポイントは
SNS運用の目的は、企業によってさまざまです。
新規顧客の獲得、信頼関係の構築、ファンづくりなど、目的が異なれば、求める成果や指標も変わります。
しかし、どの目的でも共通して大切なのは、「継続」と「分析」です。
日々の発信を積み重ねるだけでなく、「数字」の変化と、コメントなどの「反応・感情」の両方を見て改善するのが成果への近道です。
そして、“誰に向けて発信しているのか”を明確にするのが大切です。
目的とターゲットを意識すると、SNSの運用方針がぶれず、数字と感情のバランスをとった発信がしやすくなります。
2.数字・感情を追うメリット・デメリット
目的やターゲットが明確になったら、次に意識したいのが「数字」と「感情」のどちらを重視するかという視点です。
この2つの軸によって、得られる成果や見える課題は大きく変わります。
それぞれの特徴を整理すると、どちらにも強みと注意点があるのが分かります。
▼SNS運用の「数字」と「感情」の特徴
メリット | デメリット | |
数字を追う場合 | ・成果を可視化しやすく、改善につなげやすい。 ・社内で報告・共有がしやすい。 ・短期間で反応を得やすい。 〈例〉投稿の反応率を分析することで、次のキャンペーンに活かせる。 | ・内容が“数字優先”になりやすい。 ・短期的な発信に偏りやすい。 ・フォロワー数など表面的な指標に引っ張られやすい。 〈例〉反応を気にしすぎると、本来の目的を見失う。 |
感情を追う場合 | ・共感や信頼を得やすく、長期的な関係構築に強い。 ・口コミや紹介につながりやすい。 ・ブランドや人柄の魅力を伝えやすい。 〈例〉スタッフ紹介やお客様の声の投稿で共感や信頼の形成につながる。 | ・成果が数字に表れにくい。 ・社内で効果を説明しづらい。 ・継続的な発信が必要。 〈例〉投稿の反応が少なくても、信頼を築くには時間を要する。 |
数字は現状を映す鏡、感情は信頼を育てる土台となるため、どちらか一方ではなく、目的に応じて両方を使い分ける視点が成果を左右します。
3.SNS運用で目指す成果別にポイント解説
SNS運用の最適なバランスは、企業の目的によって変わります。
ここでは
①「集客・認知拡大」
②「信頼・関係づくり」
③「リピート・口コミ拡大」
上記の3つの目的に分けて、それぞれで意識すべきポイントを整理します。
①集客・認知拡大を目的とする場合
新しいお客様に自社を知ってもらうのを目的とするなら、まずは数字の分析を重視しましょう。
▼新規顧客・フォロワーの獲得のポイント
<有効な指標> ・リーチ数、クリック率、投稿保存数<ポイント> ・数字を見ながら投稿内容・時間帯を改善 ・広告投稿やキャンペーンの効果測定を行う 例:飲食店の場合、「期間限定メニュー紹介+来店キャンペーン」で反応を分析。 |
数字の増減だけを追うのではなく、「誰に届けるか」を明確にするのが大切です。
「幅広い層にリーチする投稿」と、「地域の特定層に刺さる投稿」では、狙える効果の方向性が異なるため数字を分析しつつ、ターゲットに響く共感性のある発信を意識しましょう。
②信頼関係や関係作りを重視する場合
顧客や地域とのつながりを深め、長く選ばれる存在になるには「信頼」の積み重ねが欠かせません。
数字よりも“人の心に届く発信”を意識するのがポイントです。
▼既存顧客や地域との関係構築、ファンづくりのポイント
<有効な指標> ・コメント数、保存率、閲覧時間 <ポイント> ・日常のエピソードやスタッフ紹介などで親近感を生む ・感謝の言葉や制作の裏側など、思いを伝える投稿を意識する 例:サロンの場合、「スタッフの日常紹介」や「お客様への感謝投稿」で共感を高める |
“感情”を軸にした発信は、数字に表れるまでに時間がかかります。
それでも、コメントや保存数などからどの投稿に共感が集まっているかを定期的に確認しましょう。
“共感を積み重ね、数字で確かめる”そのバランスが信頼を深める鍵です。
③リピートや口コミ拡大を狙う場合
一度利用してくれたお客様をファンに育て、継続的なつながりにつなげる段階では、「感情」と「数字」の両方を意識した発信がポイントになります。
信頼を土台に、関係を深めながら成果を可視化していくのが大切です。
▼リピートや口コミ・紹介促進のポイント
<有効な指標> ・保存率、口コミ数、リピート率<ポイント> ・お客様の声やレビューを活用して共感を高める ・反応データをもとに、効果の高い投稿を継続する 例:サロンの場合、「常連客の声紹介」や「季節限定メニューの裏側紹介」で共感を生み、再来店を促す。 |
再来店や口コミを生む発信には信頼と共感が欠かせないため、お客様の声や反応データを活用し、感情でつながりを深めながら、数字で次の行動を導くことが大切です。
この循環を続けるとファンとの関係が広がり、継続的な成果につながるので、「数字」と「感情」どちらを重視するかは目的やターゲットによって変わります。
目的を明確にし、状況に応じて両者を使い分けると、SNS運用の成果をより確実に高められます。
4.まとめ
SNS運用で成果を出すには、数字と感情のどちらか一方に偏らないのが大切です。
数字は現状を見える化し、改善の道筋を示してくれます。
一方、感情は信頼や共感を育て、長く愛されるブランドを築く力です。
企業によって目的もターゲットも異なります。だからこそ、「自社にとっての成果とは何か」を明確にし、目的に合わせて数字と感情のバランスを整えるのが重要です。
「感情で伝え、数字で確かめる」この往復を意識した発信こそが、SNSを“続ける価値のある取り組み”へと変えていく第一歩になります。
まずは自社の運用目的とターゲットを再確認し、目的に合わせた指標を見直すことから始めてみましょう!