経営をしていると、改めて感じることがあります。
それは、
「大きな挑戦をすればするほど、リスクも大きくなる。」
ということです。
これは、「リスクを取るな」という話ではありません。
むしろ私は、挑戦すること自体はとても大切だと思っています。
ここで伝えたいのは、「リスクの大きさ」ではなく、「振り幅」の話です。
例えば、小さく事業を始めて、コツコツ積み上げていく。
一歩ずつ改善を繰り返しながら成長していけば、大きな問題が一気に起こることは少ないでしょう。
もちろん、その分だけ成長スピードも緩やかです。
一方で、
人を増やす。
サービスを増やす。
広告に投資する。
設備を導入する。
新規事業を立ち上げる。
ヒト・モノ・カネ・時間。
経営資源を大きく投じれば、その分だけ会社は一気に前へ進みます。
新しいお客様と出会える。
売上も伸びる。
できることも増える。
会社としての可能性は確実に広がります。
でも、その一方で、何か問題が起きた時の影響も何倍にもなります。
一人だった頃は、自分だけで解決できたことが、人が増えるとそうはいきません。
サービスが一つだった頃はシンプルだったものが、事業が増えることで管理も複雑になります。
売上が伸びれば、お客様から求められる品質も高くなります。
会社が成長するということは、責任の大きさも一緒に成長していくということなんです。
だから私は、「成長期ほど問題が起きる」のは自然なことだと思っています。
むしろ、何も起きない方が少し怖いくらいです。
想定していなかったトラブル。
仕組みの不備。
組織のズレ。
コミュニケーション不足。
今まで見えなかった課題が、一気に表面化する。
経営をしていると、そういう場面に何度も出会います。
もちろん、その瞬間は大変です。
「なんでこんなことが起きるんだろう。」
そう思うこともあります。
でも振り返ると、その問題の多くは、「会社が次のステージへ進もうとしていたサイン」だったように感じます。
小さな会社では起きなかった問題が起きる。
それは、会社の規模や挑戦が変わった証拠でもあります。
だから私は、問題が起きること自体を悪いことだとは考えていません。
本当に怖いのは、問題が起きることではなく、問題から目を背けることです。
起きた問題を誰かのせいにする。
見て見ぬふりをする。
その場しのぎで終わらせる。
これでは、同じ問題を何度も繰り返してしまいます。
一方で、
なぜ起きたのか。
どうすれば防げたのか。
仕組みで改善できないか。
そうやって一つずつ振り返り、改善していけば、その問題は会社の財産になります。
問題は、会社を壊すものではありません。
向き合えば、会社を強くしてくれるものです。
実際、今まで乗り越えてきた壁を振り返ると、そのたびに会社は少しずつ強くなっていました。
ルールができた。
仕組みが整った。
役割が明確になった。
以前よりも、同じ問題が起きなくなった。
そうやって会社は成長していくのだと思います。
だから私は、「問題をなくすこと」を目標にはしていません。
目指しているのは、
問題が起きても、改善できる組織。
そして、
挑戦し続けられる組織。
です。
挑戦しなければ、大きな問題も起きません。
でも同時に、大きな成長もありません。
成長には、必ず痛みが伴います。
責任も増えます。
悩みも増えます。
でも、その痛みの先にしか見えない景色があります。
その景色を見るために、私たちは挑戦を続けるのだと思います。
だからこれからも、問題が起きることを恐れるのではなく、一つひとつ向き合い、改善しながら前へ進んでいきたいと思います。
会社の成長とは、売上が伸びることだけではありません。
課題を乗り越える力がついていくこと。
それこそが、本当の意味で「強い会社」になることだと私は信じています。